マヌカハニー数値の意味やUMFとMGO(MG)の違いを知りたい人向け。
マヌカハニーの抗菌活性レベルを表す数値には、「UMF・MGO・TA・NPA・MGS」など色々あるのをご存知でしょうか?
メーカーやブランドによって抗菌活性レベルを示す数値の表示方法が違うので、マヌカハニーを選ぶ時に迷ってしまいがちですよね。
ただ、現在ではマヌカハニーには使用してはいけない数値もあるので、それぞれの数値の違いや意味を知っておくことはマヌカハニー選びに欠かせません。
特に、マヌカハニーを選ぶ時にUMFとMGOの違いは何か分かりにくく、なぜ2つも数値があるのかな、と思っている人も多いと思います。
そこで、今回は「【マヌカハニーUMF MGO TA NPA MGS】数値の違いと意味は?」をご紹介します。
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マヌカハニー数値の違いや意味は?
マヌカハニーの抗菌活性を示す数値には色々ありますが、なかでも「UMF・MGO・TA・NPA・MGS」がよく知られています。
マヌカハニーのUMF数値とは消毒液の抗菌力との比較
マヌカハニーのUMFは、和名で「ユニーク・マヌカ・ファクター」で、ニュージーランドのマヌカハニー協会が定めた基準です。ユーニクとは、「独特な」を意味しています。
UMF数値は、消毒液(フェノール液)と抗菌レベルを比較したものです。例えば、UMF5+ではあれば、病院などに置かれている消毒液とほぼ同等のレベルということになります。
実は、別の基準であるMGOが発見される前まではマヌカハニーに抗菌活性があることは分かっていましたが、どの成分によるかが分かりませんでした。
そのため、ワイカト大学のモラン教授がUMFと呼ばれる消毒液(フェノール液)と比較した基準を定め、その基準をもとに抗菌活性レベルを示していました。
その後、UMFは特定の成分だけを計測しているわけではないので、検査に誤差が生じているという問題点があります。
ただし、UMFには歴史があり、輸出する際の基準として多くのメーカーに使用されている基準です。
その理由は、協会が厳しい検査基準と監査を実施しているため信頼性が高いからです。検査には抜き打ち検査などもあります。
マヌカハニーのMGO数値とは抗菌活性の成分MGO量
MGOは「メチル・グリ・オキサーサール」の略で、マヌカハニーを特別な蜂蜜にする天然合成物。

MGO数値はMGO100+やMGO400+などのように1Kg中に何mgのMGOが含有している量を示しています。
このMGOは高い抗菌作用をもつとされ、MGO数値が高ければ高いほどマヌカハニーによる抗菌力が高いとされています。
MGOは、マヌカの花蜜にはMGOが最初から含まれているわけではなく、実はもともと存在しているのは「ジヒドロキシアセトン」という成分です。
この成分に、はちみつが作られる段階で混入したアミノ酸やタンパク質が反応してメチルグリオキサール(MGO)が作られます。
ジヒドロキシアセトンが時間をかけて徐々にMGOに変わっていき、最後は変化がほぼ終了します。そのため、マヌカハニーメーカーのなかには貯蔵することによってMGOの数値を上げることもされています。
これは自然の現象を利用しているので時間をおくことには問題はありませんが、需要と供給が追い付かず、貯蔵される前に出荷されているマヌカハニーが多く出回っています。
ニュージーランドの原住民であるマオリ族が古くから傷薬や消毒にマヌカハニーを使っていたため、マヌカハニーに素晴らしい抗菌力があることが知られていました。
最初にマヌカハニーに独自に抗菌活性を見出したワイカト大学のピーター・モラン教授は、ハチミツの抗菌強度をフェノール液と比較することにより、抗菌活性を測定する検査法を開発しました。それがUMFです。
その後、抗菌活性の要素が何かが分からないままでしたが、ついに2006年になって始めて、ドイツのトーマス・ヘンレ教授により抗菌力がマヌカハニー中の化合物が食物メチルグリオキサール(MGO)であるとつきとめました。それがMGOです。
そのため、UMFとMGOは同じ抗菌活性を示していることなり、2つの表示が存在することになりました。
ドイツのトーマス・ヘンレ教授がMGO(メチルグリオキサール)が抗菌活性の成分とつきとめ、最初に表示したのがマヌカヘルス社です。そのため、MGO表記の先駆者はマヌカヘルス社といっても過言ではありません。
そのため、
マヌカヘルス社はMGOを登録商標したかったのですが、これはMGOは一般成分名なので登録商標ができません。そこで、MGOとロゴを一緒にして登録商標を行いました。

このMGO数値と赤色の六角形のロゴが商標登録されている部分です。
これで困ったのが、他のマヌカハニー企業です。当初は登録商標への誤解もあり、MGOが使えないのでは?ということで「MG」と表記するメーカーも出てきました。
MGOとMGは同じ意味ですが、今でも「MG」と表記しているメーカーもあります。
その後、成分名であるMGOは誰が使っても問題ないことが浸透し、今ではほとんどのマヌカハニーメーカーがMGO数値を容器につけています。
つまり、商品の容器などに「MGO」を含んでいても、 メチルグリオキサールの略称として使用する場合には登録商標によって使用を制限することはできません。
また、ニュージーランドでは、過去に数社が「MGO」を商標登録しようとして申請していますが、すべて却下されています。
マヌカハニーのTA数値とは蜂蜜の抗菌トータル力
マヌカハニーのTAとはTotal Activity(トータルアクティビティ)の略。マヌカハニー独特の抗菌成分以外に、普通のハチミツが持つ抗菌成分を合計の数値として表しています。
そのため、数字としてはMGOと比較すると大きくなるため、ひと昔のマヌカハニーにも表記されていましたが、現在、TA+表記は禁止されていてます。
オーストラリアでは規制されていないため、抗菌活性を持つ「ジャラハニー」などにはTA+といった表記が使用されています。
マヌカハニーのNPA数値とは非過酸化水素のトータル
マヌカハニーのNPAとは、Non-Peroxide Activityの略です。これはMGOなどの非過酸化水素の全般を意味しています。
こちらも、ほぼUMFと同じ指標とされていますが、数値が多くなる傾向があり、こちらもニュージーランドでNPA表記は禁止されています。
マヌカハニーのMGS数値とはモラン教授が推薦する指標
マヌカハニーのMGSとは、ピーター・モラン教授がUMFを規定して以降、唯一認定した指標として知られています。
UMFにばバラツキが大きくなるといった問題点を解決するためにピーター・モラン博士開発の試験メソッドによる検査結果(MGS活性試験)を実施しています。
基本的にUMFと同じレベルを表していますが、より正確な検査法を用いているのが特徴です。
マヌカハニーのUMFとMGOの違い
現在、主に使われている数値が「UMF」と「MGO」です。この2つの違いをまとめると以下のとおりになります。
- UMFは数値のバラツキが問題視されていた
- UMFは消毒液との比較、MGOは成分の量を表す
- UMFは相対値、MGOは絶対値を表す
マヌカハニーに多く含まれる抗菌活性成分であるMGOが発見されるまではUMF数値が使用されていましたが、UMF数値はバラツキが大きく問題視されていました。
その理由のひとつとして、UMFは消毒液の消毒力と比較した「相対値」であることでした。その後、MGO量を測定する「絶対値」がより信頼性があるとされました。
但し、成分名であるMGOはどのメーカーやブランドでも独自の検査で表記するできる一方、UMFはマヌカハニー協会が管理・監督したものにしか使えないという点で信頼性が高いと言えます。
最近では、UMFとMGOを両方併記することで、より信頼性を高めていることをアピールするメーカーやブランドが増えています。
マヌカハニーのUMFとMGOの見方
UMFとMGOは同じ抗菌活性を表す数値ですが、相関があることが知られています。下記はUMFとMGOの相関を表したものです。
UMF指標 | MGO(メチルグリオキサール)量指標 |
---|---|
5+ >= | 83mg/kg |
10+ >= | 263mg/kg |
15+ >= | 514mg/kg |
16+ >= | 573mg/kg |
18+ >= | 696mg/kg |
20+ >= | 829mg/kg |
25+ >= | 1,200mg/kg |
28+ >= | 1,449mg/kg |
最近では、UMFとMGOを容器パッケージに両方併記するメーカーやブランドも増えてきています。
マヌカハニーのUMFやMGO数値の違いで見た目や味は違う?
MGO50+~MGO550+まで6段階のMGO量が1つになった6個入りセット。日本では今のところ未発売ですが、MGOの量ごとに比較できるセットがニュージーランドでは発売されています。
このセットは女王蜂がトレードマークのNZ Queenbee Honeyブランドです。ニュージーランドの北島にある「Waitakere Ranges」で採取されたマヌカハニーを使用しています。
かわいいボトルですが、1セット約35ドル(約3,000円)もします。
左上から右上がMGO50+~MGO100+、左下から右下がMGO250+~MGO550+です。MGO量が増えるにつれて艶やかにも見えますが、色の違いはほとんど変わりませんね。
では、食べ比べをした意見ですが、味はMGO量が増えるにつれて「マヌカハニーの味が濃厚」と感じました。実際に養蜂家に伺ったところ、MGO量が増えるにつれて濃厚になるという話を聞いたことがあります。
ただ、ブランドごとに採れる年や場所などによっても風味が変わってくることもあり、気にしなければ極端に味が濃くなるというわけではありません。
UMFやMGOの食べ比べをしたいなら、ハニーマザーの食べ比べセットがおすすめです。
マヌカハニー数値の違いや意味まとめ
今回のコラムでは、「【マヌカハニーUMF MGO TA NPA MGS】数値の違いと意味は?」をご紹介しました。
ニュージーランド政府が輸出の際に規定しているマヌカハニー抗菌活性レベルを表す指標としての数値は「UMF・MGO・MGS」の3つです。
ニュージーランド国内では企業オリジナルの指標が表示されていることがあります。
現在、TAやNPAは現在は使用されていないので見かけることは少なくなったかもしれません。オーストラリアのジャラハニーなどではTA+などが現在も使われています。
マヌカハニーの数値でよく見かけるUMFとMGOには相関関係があり、どちらの数値も表記しているメーカーやブランドが増えてきています。