マヌカハニーの効果や効能が何かを知りたい人向け。
テレビなどでマヌカハニーが取り上げられることが増えているので、様々な効果があると聞いたことがあると思います。
せっかく他のはちみつと比べても値段が高いマヌカハニーを食べるのだから、効果について詳しく知っておきたいという人も多いでしょう。
もしかすると間違った方法で食べているかもしれません。
そこで、今回は「【効果ない?】マヌカハニーの論文や根拠からみる5つの効果効能」をご紹介します。
タップできる目次
マヌカハニーの抗菌活性による5つの効果
マヌカハニーの効果には、主に抗菌・作用があります。この作用についての数多くの論文や研究が発表されているので、それを紹介してきます。
主な効果は、以下のとおりです。
- 1.風邪(喉の痛み、鼻づまり)
- 2.胃腸(整腸作用、ピロリ菌)
- 3.口腔内(虫歯予防、歯周病、口内炎、口臭)
- 4.肌(切り傷、火傷、美容、ニキビ)
- 5.肝(二日酔い)
1.風邪(喉の痛み、鼻づまり)
もともと健康に良いとされるはちみつですが、風邪症状である喉の痛みや咳、鼻づまりなどの和らげると言われています。
これまでに、風疹、水痘・帯状疱疹、そして、ヘルペス等に対する抗ウイルス作用も報告されていました。これらの報告に加えて、2014年5月、新たにインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス作用が長崎大学のWatanabeらの研究グループによって学術論文『Archives of Medical Research』で報告されました。
出典:城先生と寺尾先生の知って得するかも?
そのため、風邪をひいたときの栄養補給としても役立つことが分かっています。
その他にもストレスが過剰になったり生活習慣が乱れたりすると、 免疫が正常に機能しないなどとも言われています。
ただ、免疫力を上げるには「笑い」「温める」「適度な運動」などがいいとも言われ、精神状態が関係していることが分かっています。
これを食品で高めることができるのか?ということが問題になっています。
結論としては、マヌカハニーで免疫力アップが出来ない。
なぜなら、残念ながら現在、免疫力を下がることが人工的にできますが、上げるようなことはできないためです。
実は、Youtubeで有名になった岩田先生が2018年に「ほぼ日刊イトイ新聞」のコラムで対談をされています。その中で、岩田先生は下記のように述べています。
「免疫力を下げる方法」はありますけど、「免疫力を上げる方法」って難問で、ほとんどないんですよ。出典:ほぼ日刊イトイ新聞
一般的に言われている「これを食べれば免疫力アップ」というのは、岩田先生によると疑わしいそうです。
例えば、「特定保健用食品(トクホ)」ですら、ほとんどデータはなく実証されている効果はごく限られています。
2.胃腸(整腸作用、ピロリ菌の除菌)
マヌカハニーが日本で有名になった理由の一つとして「ピロリ菌への抗菌効果」があります。一般的なはちみつにも抗菌作用があることは知られています。研究では様々な報告されています。
マヌカハニーはピロリ菌に対する繁殖の抑制に効果的であり、5%の濃度のマヌカハニーでピロリ菌を抗菌、2.5%の濃度のものでさえも、部分的に行った。出典:イギリスの医療雑誌「Journal of the Royal Society of Medicine」1994年
その他にも「善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌を増やすことによって腸内環境が改善される」効果があります。つまり、腸内フローラを形成するのに役立ち、整腸作用があることが分かっています。
3.口腔内(虫歯予防、歯周病、口内炎、口臭)
マヌカハニー、虫歯や口内炎、歯周病といった口内トラブルも改善・予防することが知られています。虫歯にマヌカハニーがいいという根拠は下記の論文があります。
Evaluation of the effects of manuka honey on salivary levels of mutans streptococci in children: a pilot study.出典:2014 Jul-Sep;32(3):212-9. doi: 10.4103/0970-4388.135827
この論文では、毎日2回の歯磨きと歯へのマヌカハニーの塗布(30分放置)を用いた場合、マヌカハニーを使用した人は10日後および21日後に虫歯の原因になるミュータンス菌の統計学的に有意な減少を示したとあります。
ここでのポイントはマヌカハニーを食べるだけではなく、歯や歯茎に直節塗って放置することです。
マヌカハニーは蜂蜜だから大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、高い抗菌作用があります。
マヌカハニーを口腔内に使用する場合は、夜の歯磨き後に食べたり、朝の歯磨き後にマヌカハニーウォーターで口をすすぐのがおすすめです。口内炎にはマヌカハニーを直接塗りましょう。
そもそも、口臭の主な原因は「口腔内の雑菌」。例えば、口の粘膜は皮膚の垢(あか)と同じように細胞が剥がれ落ちて舌に溜まります。口臭の6割はこれが原因です。
残りの原因としては、ニンニクなどの食物を食べてガスが腸を介して肺から排出されるような「胃腸の中から」です。
ともかく、
口臭を防ぐには「口腔内(口の中)」と「胃腸の中」をどのように改善するかが重要です。
この作用が口腔内の虫歯菌や口臭の低減が期待されています。下記の論文ではマヌカハニー含有キャンディと市販されている口臭予防ガムなどとの比較を行っています。
試験は10名対象に被験者に行われ、結果から言うと、マヌカハニー含有キャンディは市販の口臭予防ガムよりも口臭低減が認められました。引用:メチルグリオキサール (MGO) 含有の蜂蜜摂取による口臭予防<日本口臭学会会誌, 5(1), 9-14 (2014).>
つまり、口腔内(口の中)から改善する方法としてはマヌカハニー入りのキャンディーや歯磨き粉がおすすめです。

実は、口臭は人間に限らず、犬や猫のペットも同様に歯磨きをしないと嫌な口臭や歯周病の原因になります。
歯磨きをしてあげることも大切ですが、マヌカハニーを食べさせて口臭や歯周病の対策をすることもできます。
ペットにマヌカハニーを食べさせても大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、人間と同様に体調が悪い時や子犬や子猫に与えなければ問題がありません。
4.肌(切り傷、火傷、美容、ニキビ)
ニュージーランドの原住民であるマオリ族は古くからマヌカハニーを切り傷や火傷のあとにマヌカハニーを使っていました。マヌカハニーの持つ抗菌作用があることを自然と知っていたのでしょう。
マヌカハニーは、創傷や傷ついた皮膚に適用すると、とても強力で長持ちする抗菌作用を発揮します。 臨床研究では、マヌカハニーが抗生物質耐性菌を含む広範囲の細菌に対して有効であることを証明しています。
マヌカハニーは直接鎮静作用もあり、局所的に塗布すると自然回復や治癒を促し、治癒過程を速め、傷痕を予防します。 それは新しい健康な組織を保護しながら創傷部位をきれいにすることを助ける創傷清拭作用を促し、創傷部位を湿性で低pHの状態に保ちながら、過剰な液体を取り除くなど、治癒を促進します。出典:マヌカヘルス社サイト(マヌカハニーと創傷ケアに関するピーター・モラン教授の研究論文より)
マヌカハニーは食べる以外にも意外な使い方がありますね。その他にもマヌカハニーは保湿力があるのため色々なスキンケアにも使用されています。
5.二日酔い
マヌカハニーはアルコールの分解を早めることから二日酔いにもいいとされています。
マヌカハニー摂取の場合はアルコールによる抗酸化酵素の減少を抑制できることが判りました。エタノール摂取による抗酸化物質であるグルタチオンの生体内量の低下もマヌカハニーは抑制できています。出典:城先生と寺尾先生の知って得するかも?
但し、マヌカハニーを食べたからといって飲みすぎには注意が必要です。
マヌカハニーのMGO・UMF数値による効果の違い
あくまでもマヌカハニーは食品などの具体的な効果の違いは証明されていません。但し、MGO・UMF数値の違いによる抗菌効果の差は実験上の論文があります。
MGO量(mg/Kg) | 菌の増殖力(mean ± S.D.) |
---|---|
250(UMF10相当) | 79.5(1.9) |
400(UMF13相当) | 36.7(15.3) |
550(UMF16相当) | 18.9(9.8) |
出典:Functinal Foods in Health Disease 2014;4(5):172-181
菌の増殖力の数字が低ければ低いほど、菌の繁殖を抑制していることになります。
これを観るとMGO250+(UMF9.7+)とMGO550+(UMF16+)を比較すると、MGO・UMF数値が大きいほど菌の繁殖を抑えていることが分かります。
もちろん、全ての菌に対して効果があることを証明しているわけではありません。
マヌカハニーは効果なし!と言われる4つの理由
マヌカハニーは効果がないと決めつける前に、確認しておくべきポイントがあります。それでは、具体的にポイントを紹介していきましょう。
- 理由1.UMFやMGO数値がないか低い
- 理由2.食べ方が間違っている
- 理由3.食べる期間が短すぎる
- 理由4.そもそも偽物や粗悪品を食べている
理由1.UMFやMGO数値がないか低い
マヌカハニーを選ぶ上で重要な数値が、UMFやMGO。UMFやMGOの数値が高ければ高いほど、抗菌活性レベルが上がると言われており、効果が期待できます。
ただ、マヌカハニーとパッケージ容器に描かれていてものなかには、実は数値の記載がないものもあります。
それはマルチフローラルと呼ばれ、マヌカハニー以外の花の蜜が入っている蜂蜜。
その意味を知らずに、マヌカハニーだからといって食べ続けていても効果は期待できません。
さらに、その数値にも色々あり、数値が低すぎるとこちらも効果は期待できません。もし、効果を期待するならMGO263+/UMF10+を選ぶのがコツです。

理由2.食べ方が間違っている
マヌカハニーの正しい食べ方をご存知ですか?パンなどにつけて食べているともったいないことをしているかもしれません。
実は、マヌカハニーの効果を期待しているなら、正しい食べ方と食べるタイミングが大切です。
マヌカハニーの正しい食べ方は以下とおり。
- 何もつけず、そのまま食べる
- 空腹時、特に寝る前がベスト
- 食べる量は小スプーン1杯(5~7g程)
- 食べる時は金属製のスプーンを使わない
- 熱い飲み物には入れない
なかには、たくさんマヌカハニーを食べれば食べるほど効果が期待できるんじゃないかと思う人もいるかもしれません。
ただ、取り込まれる成分に限界があるので、少量でも続けることが大切です。

理由3.食べる期間が短すぎる
マヌカハニーは食品なので、医薬品と違って即効性があるわけではありません。一般的なマヌカハニーの内容量が250gなので、1日1杯食べると約1ヶ月分になります。
なので、マヌカハニーの口コミや評判を書いている人は、もしかすると250gを1個だけ食べている可能性もあります。
500gも販売されているので一概には言えませんが、1個だけ食べるだけでは評価するのは難しいとも言えます。
できれば、最低でも2~3ヶ月分は食べてから実感があるか評価する必要があります。口コミや評判はその辺りまでは分からないということになります。
理由4.そもそも偽物や粗悪品を食べている
最近、問題になっているのがマヌカハニーの偽物や粗悪品が流通しているということ。
「偽物」というとマヌカハニーと全く違うものを連想させれますが、本来のマヌカハニーに違う成分を混入させたりしているものもあります。
ただ、偽物とまでもいかないまでも粗悪品のマヌカハニーということもあります。例えば、温度管理が正しくされていないマヌカハニーです。
実はマヌカハニー自体は熱に強いのですが、はちみつ自体が高温にさらされてしまうと成分が壊れてしまいます。

マヌカハニーの効果についてのよくある質問
マヌカハニーの効果についてよくある質問をまとめてみました。
- Q1.いつからマヌカハニーは効果が出るの?
- Q2.メーカーやブランドにより効果は違う?
- Q3.マヌカハニーをお湯に溶かしても効果は変わらない?
Q1.いつからマヌカハニーは効果が出るの?
求めている効果によっても違いますが、最低でも約2~3ヶ月は継続して食べるほうがいいと言われています。
そのため、一般的な容量の250gでは約1ヶ月分しかないので、250gであれば2個以上、500gであれば1個以上を購入するのがおすすめです。
Q2.メーカーやブランドにより効果は違う?
基本的にメーカーやブランドによる効果の違いはなく、食べやすさや風味の違いがほとんどです。
効果があるかどうかは、MGOやUMF数値のグレードが一番関係があると言えます。一般的にUMF10+(MGO263+)以上がアクティブ・マヌカハニーと認識されているので、その数値以上がおすすめです。
Q3.マヌカハニーをお湯に溶かしても効果は変わらない?
マヌカハニーをお湯に溶かしても特に問題はありません。但し、お湯の温度が高すぎると、マヌカハニーに限らず蜂蜜の成分が壊れると言われています。
できれば、38度以下のぬるま湯にマヌカハニーを溶かすのがおすすめです。高温や沸騰に近い温度のお湯には入れないようにしましょう。
マヌカハニーの効果まとめ
今回のコラムでは、「【効果ない?】マヌカハニーの論文や根拠からみる5つの効果効能」をご紹介しました。
マヌカハニーには様々な効果が期待されていますが、あくまでも蜂蜜の一種なので過度な期待は禁物です。
しかも、一度に大量に食べても効果は限定的なので、少量ずつ毎日継続して食べ続けることがとても大切です。